文字通り晴れをみた
未来を視野に入れた。技師から紹介を受けた優秀な米。
1

 未来につながり、農家にとっても作りやすい。かつ酒米にも適する米・・・そんな米はないのだろうか。
 これらの思いを京丹後市弥栄町にある京都府丹後農業研究所へ持ちかけたのは平成8年のことだった。そして河瀬技師から紹介いただいたのが「祭り晴」であった。(当時「日本晴」が掛け米の代表格の品種であり、多くの蔵で使われていた)
 祭り晴は米の消化性、蛋白質量などの点を見ても日本晴より優秀な米であった。

2

 ただ当時は祭蔵舞としてではなく、純米大吟醸を普通米で作ることを念頭に置いていた。そして地元の吉岡邦雄氏に耕作を依頼。低蛋白質米になるよう窒素成分を抑えた耕作方法、かつ除草剤を少量に抑える低農薬栽培で作っていただく。そして平成10年春にこの米を使用した純米大吟醸酒「羅漢酒」を発売する。
 その後、この祭り晴を生かすにはどのようなタイプの純米酒すればよいか考え始めた。未来につながる米を生かすにはどの選択肢を選ぶべきか?その結果、当時山廃作りに挑戦していたこともあり、山廃仕込みで醸造することに決定する。

祭り晴は蔵舞となった日の目を見るまでの長い年月。
3

 その後、平成12年より山廃仕込みを始めるが、思うものが出来ず、作っては他のレギュラー酒にブレンドしていた。
 そして平成17年、少しずつ地道な改良を重ねた結果、秋季の大阪国税局清酒鑑評会の、生酛山廃の部でそこそこの評価をいただいたことから、山廃純米酒として発売することとした。これが現在の弥栄鶴山廃純米60,山廃純米70である。

4

 平成18年には農薬を使わず栽培するため、合鴨を利用する。吉岡邦雄氏の協力の下、合鴨農法による米作りの挑戦を始めたのだ。そして平成19年、この合鴨農法の祭り晴での山廃純米を醸造する。しかし、それでもまだ祭蔵舞としての発売には至らなかった。
 祭り晴を利用した祭蔵舞が、文字通り晴れて商品化されたのは、その翌年のこと。祭り晴は純米酒蔵舞として日の目を見るまでに、かなりの年月を経たのだ。翌平成21年インターナショナルサケチャレンジと呼ばれるコンクールの生酛山廃部門に応募したところ、ゴールドメタル(グランプリの次点)を頂く。そして2009年、祭蔵舞は秋の蔵出しを待つばかりとなった。

5

2010年、全米日本酒鑑評会生酛山廃部門へ出品。結果、金賞を受賞する。そして本年も挑戦は続く。

祭蔵舞

贅沢かつ特別な酒として。例えば祇園祭を2階から見ているような時に。祭りに自分が参加しているのではなく、ゆったりと、観光客側として飲むような風景を想像しながら。

品名 祭蔵舞(まつりくらぶ)
酒米 祭り晴
精米歩合 60%
アルコール度数 15度